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これからのカスタマーサービス~グッドマンの法則から考える~

カスタマーサービスとは?

ただの受付窓口ではない、カスタマーサービスの本来の役割

“モノ売りからコト売り”のビジネスモデルが加速する昨今、企業の競争力をもたらす手段となっているカスタマーサービス。もはや、お客様からのお問合せに対応するだけの「カスタマー部門」ではなくなっています。

企業競争が激しくなっている現代において、モノを売って終わりというスタンスでは、お客様には選んで頂けません。カスタマーサービスの重要な役割は、購入前のお客様から、購入時、そして購入後のお客様へ必要としている情報やサービスを提供し、お客様の満足度を向上させることです。

お客様との一連の接点の中で顧客感動体験を与えることができれば、企業競争の中で優位に立つことができると考えます。

企業戦略となるカスタマーサービス

グッドマンの法則

ここで記事のタイトルにもある、「グッドマンの法則」について御紹介します。

「グッドマンの法則」とは、お客様からの苦情・クレームに対する対応と再購入の決定率に関係性があると示した法則で、1975年から82年に亘り、「アメリカにおける消費者苦情処理」調査を担当したジョン・グットマン氏に由来しています。

顧客ロイヤリティ協会・佐藤 知恭氏

【グッドマンの第一法則】

「不満を持った顧客のうち、苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の再購入決定率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客に比べて高い」

上の例では、合計1,101人のお客様が再購入に至っています。
もしも全てのお客様が不満申し立てをしなかった場合は、再購入数は900人(10,000人 × 9%)であったため、結果としてお客様から不満申し立て頂き、しっかりと応対することで200人以上多くのお客様が再購入に至ったことになります。

【グッドマンの第二法則】

「クレーム対応に不満を抱いた顧客の非好意的な口コミは、満足した顧客の好意的な口コミと比較すると、2倍も強く影響を与える」

【グッドマンの第三法則】

「サポート機能を備え、顧客が必要とする情報を的確に提供できれば、企業の信頼度は向上する。そればかりか、好意的な口コミの波及効果が期待され、かつ市場拡大に貢献する」

クレーム対応は決して望ましいことではありませんが、お客様の生の声として、真摯に捉え、対応次第では再購入や好意的な口コミへと繋がり、企業価値を向上させてくれます。

顧客接点としてのカスタマーサービス

カスタマーサービスが、企業の競争戦略になると考える人はまだまだ少なく、”カスタマーセンター=コストセンター”というイメージを持つ人の方が多いのではないでしょうか。

お客様との接点となるカスタマーサービスには多くのお客様の声が集まります。
ですが、最近のデジタル化やコスト削減の名目で、可能な限り有人対応から、自動化による無人対応を増やしている傾向があります。
チャットボットやFAQの高度化により、無人対応でお客様へのサービスが完結してしまい、デジタル化による効率化が進むに連れて、顧客接点が減少していきます。

お客様の生の声から、自社商品の課題や改善点に気付かされることがあります。
お客様の声に気付かないまま事業を進めた結果、“お客様の不満=ブランド力の低下”へと陥っていることがあります。事業継続の観点からも企業戦略として、カスタマーサービスは重大な役割を担っています。

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カスタマーサービス成功のポイント

  • 複数の顧客接点を用意
    お客様が希望されるチャネルは多種多様です。
    電話、メール、チャットなど、お客様が希望する方法で接点を持つことができるように顧客接点の選択肢を用意します。
  • お客様とのやり取りを全て見える化する
    お客様からのご意見や苦情は一部門だけで留めるのではなく、会社全体の課題として捉えることが大切です。まずは、その為の仕組み作りが必要になります。
  • 一貫性のある応対品質

    会社として、一貫性のあるコミュニケーションが大切です。
    “人によって案内が違う”、”営業担当とサポート部門で説明が異なる”など、お客様からの信頼を失う行動は好ましくありません。
    対応の属人化を避け、各部門間でも対応を統一化し、一貫性のあるコミュニケーションがカスタマーサービスにとっては重要です。

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