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NPS®アンケートで知る顧客推奨度!計算方法や活用例を紹介

NPS®解説

NPS®とは?

NPS®とは、Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)の略で、顧客満足度を知る指標の一つです。
顧客に「商品・サービスを他の人にも推奨したいですか?」というアンケートを依頼し、その結果から満足度を測るものとなります。
正確には「顧客推奨度」と言った方が適切かもしれません。

CS(顧客満足度)と非常に近いイメージですが、他の人にも勧めるという責任が伴うレベルも問うため、より高い満足度を必要とします。
マーケティングや顧客満足を測る指標として、2010年代から一気に広がりました。

NPS®の計算方法

NPS®の計算は簡単、推奨者の割合批判者の割合で計算できます。

流れとしては、まず「商品・サービスを他の人にも推奨したいか?」を0~10の11段階でアンケートを取ります。
アンケートで得られた結果から、9と10を推奨者7と8を中立者0~6を批判者に分類し、全体のアンケート回答者から各分類の割合を%で算出します。

そして、推奨者の割合批判者の割合を計算したものがNPS®となります。
※この時、中立者は計算から除外します。
単位は%で、-100%~100%の間の結果となります。

NPS図解

例:アンケート回答者400名、9~10が50名、7~8が100名、0~6が250名の場合
・推奨者の割合 = 50/400 = 12.5%
・批判者の割合 = 250/400 = 62.5%
・NPS®= 推奨者の割合 – 批判者の割合 = -50%

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上の例だと、凄いマイナスの結果に見えますね。

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中央値付近の4~6が批判者に分類されるので、マイナスになりやすそうですね。

NPS®の活用例

CS調査(顧客満足度調査)&マーケティング

まず基本的な利用方法として、顧客満足度の調査に使われます。
本来の活用方法なので当然ですが、有効活用にはコツがあるため紹介します。

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あくまでも独自見解ですが、是非ご参考ください!

コツ①:理由(自由記述)も一緒に確認する。

NPS®は知って満足するだけではなく、現状を確認した上で商品・サービスの価値向上に役立てるべきです。
そのためのコツとして、「理由」を「自由記述」で確認する事を推奨します。

アンケート項目にNPS®の質問を用意したら、次の質問はその「理由」にすると良いでしょう。
肯定的な意見で自社の強みを知り、否定的な意見で改善点を把握する。
そうすれば、今後のサービス展開に活かしていくことが可能になります。

またこの時、予め企業側で選択肢を用意するのは、お勧めしません。
既に自分たちで想定済の答えに、顧客の意見を誘導してしまい、ただの自己満足に陥るためです。
真の顧客の声を集めるためには、「自由記述」を推奨します。

コツ②:言い訳をしない

計算方法の例でも挙げましたが、NPS®はマイナス評価に落ち着きやすいです。
特に、「日本人は中央値付近を好み、極端な点数は付けない事が多い。」という通説から、「マイナス評価になるのは仕方がない。NPS®は意味がない。」と言われる事も多いです。
日本人のありがちな性格から、筆者もこの通説自体は間違っていないと思います。しかしだからと言って「NPS®は意味がない。」と諦めるのは間違っていると思います。

NPS®は「紹介したい」と思ってくれるお客様が多いほど高い点が付きます。
つまり、「9~10のお客様が多い≒販売促進をお客様がしてくれる可能性」と言う、マーケティング効果にも繋がる事になります。
中央値付近(5~6)の評価をいただいたお客様に対して、継続して利用してくれているからOKとはせず、一人でも多くの評価を中立(7~8)、推奨(9~10)に導くことで、サービスの拡大に繋がっていくわけです。
特に昨今BtoCの商品・サービスでは、SNSで情報が拡散されるため、いわゆるバズった際の宣伝効果は絶大です。
BtoBにおいても、信頼できる企業から新しい顧客を紹介いただく価値は、非常に高いものです。

「NPS®はマイナス評価になり易いから仕方がない。」と言い訳をしてしまうと、これらの効果も得られず、そもそもやる価値もなくなります。
NPS®を指標に用いる場合、「プラス化するのは高い目標」と正しく認識した上で、実現を目指すべきでしょう。

eNPS®

最近では、従業員満足度を測るためにNPS®の活用を推奨されることもあります。
従業員(employer)の頭文字を用いて、eNPS®という表現されます。

活用自体は非常に面白いと思いますが、いくつか懸念もあるため紹介します。
自社で試行する際は、これらの懸念は念頭に入れた方が良いでしょう。

懸念①:結果を公開しにくい

上述したように、NPS®の結果はマイナス値になりやすいです。
当然自社内で従業員向けにeNPS®アンケートを取った場合も同様、マイナス値になる可能性は高いです。
ただ調査するだけなら問題ないですが、その結果を社内に公開すると「従業員満足度がマイナスの会社」というイメージを持ち、自社に対するイメージ悪化に繋がりかねません。
NPS®は結果を公開する事に適した指標とは言いにくいと思います。

懸念②:11段階⇒3段階になってしまう

NPS®は一度測って終わりではなく、繰り返しアンケートを行なう事で改善に繋げる事が大切です。
ただしNPS®は「評価指標を知っている人には効果が見込めない。」という特性があります。
あくまでも0~10の11段階の中でどの段階を選ぶか?というものですが、指標を知っている人にとっては0~10の選択肢を見るだけで、「批判」「中立」「推奨」の三択に捉えてしまいがちです。
企業側の人間として、NPS®を知る社員も多いでしょうし、繰り返し内部でアンケートを行なう事でその比率は上がります。
それでもアンケート自体に効果がないわけではありませんが、本来のNPS®指標とは異なってくるでしょう。

まとめ

今回はNPS®とその活用について紹介しました。
NPS®は、自社の商品・サービスに対する現在の顧客推奨度を測り、ファン化を目指すことが出来る、非常に優れた指標です。
ただしあくまでも指標なため、目標は「NPS®を上げる」ではなく、「お客様の満足度を上げる≒結果としてNPS®が上がる」という目標を持ち、サービスの向上に努める事が大切でしょう。

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橋本直幸

橋本直幸

旅行と読書が大好きなライター。コールセンター関連の最新トレンドや知識を共有し、皆さまの業務に役立つ情報を配信します。

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