今回は「カスタマーサクセスの実現」について語らせていただきます。
コンタクトセンター業界では御馴染みのワードですが、意味を知るだけで終わっていませんか?
カスタマーサクセスって
何をすれば良いか分からないなぁ。
カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスとは、企業や組織が顧客の成功を追求し、顧客のニーズや期待を満たすために実施する戦略や取り組みのことを指します。
顧客が製品やサービスを効果的に利用し、価値を最大化できるように支援し、長期的な関係を築くことを目的としています。
従来のカスタマーサポート | 製品・サービスを利用するサポート |
カスタマーサクセス | 製品・サービスを利用して成功するサポート |
日本では2018年頃から流行りだしました。⇒Googleトレンド調べ
特にSaaS企業が好んで用いる傾向にあり、顧客サポートを担当する部署を「カスタマーサクセス部」と名付ける企業も増えています。
カスタマーサクセス部の実態
カスタマーサクセス部門では、顧客の成功をサポートするために以下のような業務を担います。
利用方法のサポート
- オンボーディング:新規顧客の製品やサービスの導入を支援する。
- トレーニングやアドバイス:製品やサービスの使い方をサポートする。
- 課題の解決:顧客からの問合せや課題に対して、迅速かつ効果的に対応し解決策を提供する。
成功のサポート
- 定期的なコミュニケ―ション:顧客の状況や課題の理解、関係を強化する。
- カスタマーエンゲージメントの最適化:利用状況やフィードバックを分析、顧客の成功を支援するための戦略を立案する。
- 顧客満足度の向上:顧客からのフィードバックを収集し、製品やサービスの改善を行なう。
- 社内部門との連携
ここで一つ落とし穴があります。
運用を続けていくと、利用方法のサポート(1~3)に忙殺され、成功へのサポート(4~6)に手が回らず、いつの間にかカスタマーサクセスの意識を忘れてしまいがちな事です。
実際、問合せ対応や直接のコミュニケーション、ユーザー同士のコミュニティに至っても、サービスの利用方法に終始している企業が多く見受けられます。
これは特に自社のマンパワーが不足している企業が陥りやすい現象です。
最低限のサポート(利用方法)を死守する事が重要視され、プラスアルファのサポート(成功)迄手が回らなくなり、それが恒常化してしまうからです。
また利用方法のサポートは明確な答えがあるのに対し、成功のサポートは明確な答えがないため、手を付けにくい事も関係しているかもしれません。
カスタマーサクセスは新規営業部門と一緒に考える
実はカスタマーサクセス部以上に、顧客へ成功体験の提案をしている部署があります。
それが新規営業部門です。
新規営業部門では、顧客のニーズを深掘りし、自社サービスを解決策として提案します。
そしてその中で、顧客にサービスを利用して成功を収めるイメージを提案する事は非常に重要です。
導入企業の成功事例を紹介する事も多いでしょう。
優秀なマーケターや営業担当者が、サービスの利用方法の案内に力を入れている事は少ないでしょう。
それよりも、顧客が持つ課題に対して、自社のサービスでどのように解決するか?を提案します。
顧客の多くは、そんな解決イメージを持ってサービスの利用を開始しますが、いつの間にか製品・サービスをうまく使う事に集中し、導入時の成功イメージも忘れてしまっているかもしれません。
本記事のタイトルとした、「カスタマーサクセスの実現:成功を支援する1つのコツ」は、簡単です。
「新規営業部門と一緒に考える」
導入前の顧客の成功イメージと、導入後の状況を照らし合わせ、差異があれば埋めていく。
また、企業全体で情報を共有し、顧客へどんな成功を提供するか?を協力して考える事で、初めてカスタマーサクセスが実現するでしょう。