コールセンター用語集(業務プロセス・運用管理)

本ページでは、コールセンターにおける、業務プロセス・運用管理に関する用語をまとめています。
各用語のリンク先では、活用に繋がる特集もありますので、是非ご参照ください。

目次

オペレーション管理

コミュニケーター

コミュニケーターとは、コールセンターにおいて電話やチャットなどで顧客対応を行う担当者のことです。
企業によっては「オペレーター」「カスタマーサポート」「エージェント」などと呼ばれることもあります。
顧客の問い合わせに対応し、課題解決や情報提供を行う重要な役割を担っています。

東京テレマーケティングでは、オペレーター・エージェントはNGです。
「お客様とコミュニケーションを取る」という意味合いを重視するため、コミュニケーターという表現で徹底しています。

SV(スーパーバイザー)

SVとは、コールセンターにおいてコミュニケーターを管理・指導する役職です。
業務の進行管理、品質のチェック、教育・育成、難しい問合せのエスカレーション対応などを担います。
現場のリーダーとして、チームのパフォーマンス向上に貢献する重要な存在です。

エスカレーション

エスカレーションとは、困難な問題を上位者や担当部署に引き継ぐ(または指示を仰ぐ)ことです。
例えば、コールセンター業務では、対応困難な問い合わせやクレームもあります。
これらをコミュニケーター単独で対応せず、上位者(SVや管理者)に引き継ぐことを指します。

モニタリング

モニタリングとは、コールセンターでコミュニケーターの応対内容(通話・チャットなど)を確認・評価する業務です。
品質管理や教育目的で行われ、顧客満足度や業務改善に直結します。
SV(スーパーバイザー)や品質管理担当者が主に実施します。

QA(Quality Assurance / 品質保証)

QAとは、コールセンターにおける応対品質を維持・向上させるための管理活動です。
通話やチャットの内容を評価し、改善点をフィードバックすることで、顧客満足度の向上を図ります。

よく、Q&Aと勘違いしやすいです。
一般的には、QA⇒Q&Aと考えるのは間違いではないです。
ただし、コールセンター業界では、QAは品質保証を挿すことが多いので、ご注意ください。

応対品質

応対品質とは、コールセンターでの顧客対応の「質」を示す指標です。
評価項目として、対応の正確さ・丁寧さ・スピード・態度などを総合的に評価します。
これらは、顧客満足度やブランドイメージに直結する重要な要素です。

応対品質の評価項目例
評価項目内容例
正確性情報の誤りがないか、手続きが適切か
丁寧さ言葉遣いや態度が礼儀正しいか
傾聴力顧客の話をしっかり聞いているか
スピード適切な時間で対応できているか
共感・安心感顧客の気持ちに寄り添った対応ができているか

カリブレーション

カリブレーションとは、評価基準をすり合わせるために行う「ミーティング」です。
電話応対の品質評価とは、人の感覚に依存するため、担当者によって変わります。
しかし、それでは窓口として一定の品質のサービスを目指せません。

そこで、複数のSVやQA担当者が、カリブレーションを行ない、応対品質の評価基準をすり合わせます。
これにより、評価のばらつきを防ぎ、フェアで一貫性のある品質管理を実現します。

明確な品質基準があれば、窓口全体の品質向上だけではありません。
コミュニケーターが評価に対して納得し、従業員満足度にも繋がります。

OJT(On the Job Training)

OJTとは、独り立ち前に職場で実際の業務を通じて行う教育・研修のことです。
コールセンターでは、新人コミュニケーターの研修として、座学研修とロールプレイの後に実践されます。
しかし、本物の問合せは多岐にわたるため、研修とは勝手が違います。

また、お客様目線では、研修中かどうかは関係ありません。
当然、プロとして高いレベルの対応を求められるため、練習気分では上手くいきません。

WFM(Workforce Management / 要員管理)

WFMとは、コールセンターにおける「人員配置の最適化」を目的とした業務管理手法です。
適切な人数を、適切な時間帯に配置することで、応答率や顧客満足度を高めます。

WFMの主な役割は?
STEP
コール数予測

まずは、過去の入電データをもとに、未来のコール量を予測します。

STEP
シフト作成

次に、予測に基づいて、コミュニケーターの勤務シフトを設計します。

STEP
リアルタイム管理

そして、当日の状況に合わせ、必要に応じて人員を調整します。
例えば、天候の影響による入電増加、体調不良による欠勤等、想定外の事態にも対応しなくてはなりません。

STEP
パフォーマンス分析

さらに、当日の仕事が終わった後にもWFM運用は続きます。
応答率や稼働率などを分析し、改善に活かします。

アーラン

アーランとは、コールセンターの通話量(トラフィック)を数値化する単位です。
業界標準の計算指標であり、アーラン式という特別な計算式で、人員配置や回線数の最適化が図れます。

1アーランは「1時間に1回線が常時使用されている状態」を意味します。

パフォーマンス指標

KPI(重要業績評価指標)

KPIとは、目標達成の進捗を測るための「具体的な数値指標」のことです。
コールセンターでは、業務の成果や品質を定量的に評価するために使われます。
「何をどれだけ達成できているか」を明確にすることで、改善点や成功要因を把握できます。

コールセンターでよく用いられるKPI
KPI名内容目的
応答率着信に対してコミュニケーターが応答した割合顧客対応の効率性を測る
平均応答時間顧客が電話をかけてから応答されるまでの平均時間顧客満足度の指標
サービスレベル着信に対して、一定時間内に応答できた割合顧客対応の効率性と満足度
平均処理時間1件の対応にかかる平均時間(通話+後処理)業務効率の評価
顧客満足度顧客アンケートなどで測る満足度品質やサービスの評価
一次解決率顧客の問い合わせが1回で解決された割合問題解決力の指標

応答率

応答率とは、コールセンターで一定時間内に電話に応答できた割合を示す指標です。
これは、コールセンター運用における、最も一般的な重要指標で、顧客満足に直結します。
後述するサービスレベルと分けるためか、応答率ではなく呼損率(応答率の逆)を指標とすることも多いです。

応答率の計算方法: 応答率(%) = 応答件数 ÷ 着信件数

呼損率の計算方法: 呼損率(%) = 応答できなかった件数 ÷ 着信件数
                 = 1 – 応答率(%)

サービスレベル

サービスレベルとは、顧客からの着信に対して、一定時間内に応答できた割合を表します。
こちらも、応答率同様、コールセンターにおける応答品質を示す主要な指標となっています。
一般的には「15秒以内に80%のコールに応答する」などの目標が設定され、サービス品質の基準となります。

サービスレベルの計算方法: サービスレベル(%) = 時間内の応答件数 ÷ 着信件数

多くのコールセンターでは、応答率を目標に設定します。
しかし、サービスレベルを目標に設定しないことも多いようです。

サービスレベルの方が、応答率よりも、お客様目線で、より詳細な応答状況を見える化できます。

FCR(First Call Resolution / 初回解決率 = 一次解決率)

FCRとは、顧客からの問い合わせに対して、最初の対応で完全に解決できた割合を示す指標です。
顧客が再度連絡せずに済んだかどうかを測り、顧客満足度の向上やコスト削減に直結します。
これは、コールセンターの対応力・一次解決力を評価する重要なKPIです。

FCRの計算方法: 初回の入電で対応が完結した案件数 ÷ 全問合せ案件数

稼働率

稼働率とは、コミュニケーターが就業時間のうち、実際に電話業務に従事していた割合を示す指標です。
占有率と似ていますが、より広い業務全体の効率を測るために使われます。

稼働率の計算方法: 稼働率(%) = 電話業務時間 ÷ 就業時間
稼働率の適正値 : 80~85%、または86% 

占有率

占有率とは、コミュニケーターが実際に通話や後処理などの業務に従事していた時間の割合を示す指標です。
これは、コールセンターの生産性や人員配置の最適化を評価するために使われます。
高過ぎても、低すぎても課題があり、適正値に収めることが重要です。

占有率の計算方法: 占有率(%) = ( 通話時間 + 後処理時間 ) ÷ 電話業務時間
占有率の適正値 : 80%前後

AHT(Average Handling Time)

AHTとは、平均処理時間の略で、1件の対応にかかった平均時間を示す指標です。
この値により、コールセンターの生産性や効率を測ることができます。

AHTの計算方法:AHT(平均処理時間) = ATT(平均通話時間) + ACW(後処理時間) + 保留時間

ATT(Average Talk Time)

ATTとは、オペレーターが顧客と実際に通話している平均時間を示す指標です。
AHT(平均処理時間)の一部であり、通話の質や効率を測るために使われます。

ACW(After Call Work)

ACWとは、コミュニケーターが通話終了後に行う処理時間のことです。
顧客対応の記録、次のアクションの準備、システム入力などが含まれます。

ACWだけ、「A」がAverageじゃないんですね。

その他、一般的なコールセンター用語

インバウンド

インバウンドとは、顧客からコールセンターへかかってくる電話対応業務のことです。
問い合わせ、注文、クレーム、予約など、顧客発信のコミュニケーションが対象です。

一般的には、外国人観光客の訪日を指すことが多いです。
しかし、コールセンター業界では、受信の電話業務を指します。

アウトバウンド

アウトバウンドとは、コールセンターから顧客に対して発信する電話業務のことです。
営業、フォローアップ、督促、アンケートなどが主な目的です。

東京テレマーケティングでは、アウトバウンド業務は請け負っておりません。

架電

架電とは、コールセンターから顧客に電話をかける行為そのものを指す業界用語です。
アウトバウンド業務の中心的なアクションで、営業・督促・調査などの目的で行われます。

コールバック

コールバックとは、対応出来なかった着信に対して、後で折り返し電話をすることです。
コールセンターでは、繁忙期に自動応答で受付後、人が折り返す時等に採用されます。
しかし、十分な人員を確保せずにマンパワーを超える受付をしてしまうと、折返しが叶わずクレームを生む要因になってしまいます。

FAQ

FAQとは、よくある質問とその回答をまとめた情報集です。
コールセンターでは、コミュニケーターや顧客の疑問を素早く解決するために活用されます。

昨今、WEBで自力で調べてからコールセンターに問合せをするケースが増加しています。
当然ですが、コールセンター側は、WEBに掲載されている内容を把握しておくべきです。
また、よくある質問への回答を充実させることで、顧客の自己解決率を上げることが出来ます。

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