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LTVとは?マーケティング重要指標の向上方法を紹介!

LTVとは?

LTVとは「Lifetime Value」の略で、日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。
マーケティングで良く用いられる重要な指標であり、その意味は「企業にとって、一人の顧客から将来に渡って得られる価値(利益)」となります。
現時点での利益ではなく、未来予測も含めたデータとなります。
1顧客との取引で得られる利益を測る事で、現在の収益の健全性を測り、今後の事業展開の検討材料にも活用できる重要な指標です。

正確には「Customer Lifetime Value ≒ 顧客生涯価値」であり、CLVまたはCLTVとも表記されます。
しかし、LTVという表現で広く普及・認知されているため、本稿ではLTVで統一します。
※Googleトレンドで比べてもLTVが圧倒的でした。(2023年2月時点)

LTVの計算方法

LTVの算出方法は、支払いサイクルにより異なります。
Wikipedia等には詳しい数学式もありますが、ここではシンプルに分かりやすい計算方法をご紹介します。

https://www.teleweb.co.jp/i-teleblog/wp-content/uploads/2022/01/tottele_yellow.jpg

① LTV = ( 一定期間における1顧客当たりの利益 ) × 利用期間
② LTV = ( 一定期間における1顧客当たりの売上 × 利益率 ) × 利用期間
③ LTV = ( 平均販売単価 × 一定期間における1顧客当たりの販売数量 ) × 利益率 × 利用期間

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LTVは売上ではなく、利益です。
間違えやすいので要注意!

これらは実質同じ内容で、①②は月額制サービス、③は都度料金が発生するタイプのサービスをイメージしています。
原価と売上の連動が見えにくい場合などは、計算が複雑化し、分かりにくくなる事もありますが、基本的には簡略化して上式にまとめると分かりやすいでしょう。

LTVの向上方法

LTVが高いほど1取引の価値は高くなります。そして特別な場合を除き、LTVは高い方が好まれます。
それでは主題「LTVを上げるにはどうすれば良いか?」を考えていきます。

まず計算式②を見れば分かる通り、LTVを上げるには下記の3通りの方法が考えられえます。

  • 売上を上げる
  • 利益率を上げる
  • 利用期間を延ばす

売上を上げる

売上が上がれば当然LTVも上がります。しかし売上を上げるというのは簡単な事ではありません。

$売上 = 平均販売単価 × 販売数量$

売上に関しては上記の式が成り立つため、販売単価・販売数量のどちらか、または両方を上げる事で売上は増えていきます。

しかし、販売単価が上がれば上がるほど、販売数量は下がりやすいため、単純に単価を上げれば良いというわけではありません。
逆に販売数量を増やすため、販売単価を下げてしまうと利益率が下がってしまい、悪い場合は損益分岐点を切り赤字化する可能性すらあります。

この方法は簡単に実現できる内容ではないため、いったん保留し今回は他の方法を検討します。

利益率を上げる

売上原価や販売管理費を下げる事で利益率は向上します。これはサプライチェーンの最適化を進め、必要コストを抑える事で実現出来ます。

しかし、売上を増やすのと同様、一朝一夕で出来る事ではありません。難易度が高いため、こちらも保留し、もう一つの方法を検討します。

利用期間を延ばす

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LTVを上げるためにオススメの方法がこちらです。

売上・利益率が変わらない場合、利用期間が1年から2年に延びれば、LTVは2倍になります。
つまり、顧客の長期利用(≒解約率を下げる)を実現すれば、LTVは向上します
これは売上・利益率を向上させる方法と比べると、施策展開しやすく、リスクも低いためオススメです。

利用期間よりも解約率の方が測定しやすいケースが多いので、解約率からLTVを算出する方法も紹介します。

利用期間と解約率の関係から、LTVの計算式の「利用期間」は「解約率」に変換可能です。
・利用期間(月) = 1(100%) ÷ 解約率(月次)
例)解約率(月次)20%の場合の利用期間は? ⇒ 1(100%) ÷ 20% = 5ヶ月間

これを②月額サービスの計算式に適用させると、下記④の形になります。
④ LTV = ( 一定期間における1顧客当たりの売上 × 利益率 ) ÷ 解約率

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「チャーンレート(解約率)を下げてLTVを上げよう」という話もよく聞きますね。

解約率を下げる方法は数多く存在しますが、そこに絞って施策を打つとLTVは向上するでしょう。

また下記のような説もあります。想像以上の効果も期待できるかもしれません。

顧客維持率が5%向上すると、利益率は25%以上改善される

5:25の法則 フレデリック・F・ライクヘルド氏

まとめ

今回はLTVとその計算方法、向上のコツを紹介しました。
LTVを向上させるためには、お客様の継続利用期間を延ばすにはどうすれば良いか?に注力すれば良いでしょう。

一例として、コンタクトセンターでは、問合せいただいたお客様の声(VOC = Voice Of Customer)を活用しようという、試みがあります。
その中で、お客さまが長くサービスを利用してくれるにはどうすれば良いか?に繋がる声を探し、サービス展開に活かしていくのも面白いかもしれません。

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橋本直幸

橋本直幸

旅行と読書が大好きなライター。コールセンター関連の最新トレンドや知識を共有し、皆さまの業務に役立つ情報を配信します。

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